社労士試験ポイント解説 厚生年金保険法
65歳からの老齢厚生年金について
今回は65歳から支給される老齢厚生年金について解説します。
(1)65歳から支給される老齢厚生年金とは
老齢厚生年金には、65歳前から支給される特別支給の老齢厚生年金と65歳から支給される老齢厚生年金があります。男性で昭和36年4月2日以降、女性で昭和41年4月2日以降に生まれた方は、特別支給の老齢厚生年金は支給されず、65歳から老齢厚生年金が支給されます。
(2)支給要件
65歳からの老齢厚生年金を受け取るためには以下の要件を満たしている必要があります。
①65歳以上であること
②厚生年金保険に1ヶ月以上加入していたこと
③老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があること
(3)年金額
①報酬比例部分の年金額
特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の計算と同様に、被保険者期間の平均報酬額を基準として以下の計算式により計算します。
・年金額=平均標準報酬額✕給付乗率✕被保険者期間の月数
②経過的加算額
経過的加算額とは、特別支給の老齢厚生年金の定額部分相当額から、厚生年金保険に加入していた期間について受け取れる老齢基礎年金の額を控除した差額です。以下の計算式により計算します。
・(a)1,628円✕改定率✕厚生年金被保険者月数(上限480月)
・(b)780,900円✕改定率✕20歳以上60歳未満の厚生年金被保険者月数÷480月
・経過的加算額=(a)−(b)
③加給年金額
加給年金額とは厚生年金被保険者期間が240月以上あり、かつ、受給権取得時に生計を維持している65歳未満の配偶者又は18歳年度末までの子がいる場合に支給される加算額です。以下の計算式により計算します。
・年金額=224,700円/人✕改定率(子供3人目以降は74,900円/人✕改定率)
(4)在職時改定
在職時改定とは、65歳以上の在職中の老齢厚生年金受給者の年金額を毎年10月に改定し、それまでに納めた保険料を年金額に反映する制度です。2022年4月から新たに導入されます。
具体的には、毎年9月1日前の被保険者期間で年金額を再計算し、10月から年金額を改定します。
(本日のポイントまとめ)
・老齢厚生年金は65歳前から支給される年金と65歳から支給される年金がある
・65歳から支給される老齢厚生年金は厚生年金に1ヶ月以上加入している必要がある
・老齢厚生年金額は報酬比例部分、経過的加算、加給年金から計算される
・在職時改定により毎年10月に年金額が改定される
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