
【労災法】第三者行為災害は求償か控除かで迷わない!あと1点を拾う整理術
目次
1. なぜ「あと1点」を落としやすいのか
2. なぜ調整が必要なの?制度の趣旨
3. 試験で狙われる「ひっかけ」徹底ガード
4. 暗記を助ける整理と語呂合わせ
1. なぜ「あと1点」を落としやすいのか
「求償と控除、どっちがどっちだっけ?」「5年と7年、どっちがどっち?」第三者行為災害を勉強していて、こんなふうに頭がこんがらがった経験はありませんか。ひとつひとつは単純なのに、似た言葉と似た数字が並ぶので、本試験では「分かっているつもり」で1点を落としやすい論点なんですね。でも、制度の「なぜ」を押さえれば迷いはグッと減ります。一緒に整理していきましょう。
2. なぜ調整が必要なの?制度の趣旨
通勤中に、第三者の運転する車にぶつけられてケガをした場面を想像してみてください。被災労働者は、労災保険から給付を受けられるうえに、加害者に対して民法上の損害賠償も請求できます。もし両方を満額で受け取れたら、同じ損害を二重に補償されてしまいますね。それでは損害の穴埋めという考え方に反しますし、保険料を負担している事業主の財源で、本来は加害者が負うべき責任を肩代わりし続けることにもなってしまいます。そこで、保険給付と損害賠償を調整する仕組みが用意されているんです。
調整は、どちらが先に行われたかで2パターンに分かれます。
① 求償:先に保険給付が行われた場合です。政府は、給付額の限度で被災労働者の損害賠償請求権を代位取得し、加害者に対して実際に請求します。
② 控除:先に損害賠償が行われた場合です。政府は、その賠償額の限度で、保険給付をしないことができます。
実務でも、被災労働者が先に加害者と示談してしまうと、その後の保険給付が受けられなくなるおそれがあります。「示談の前に必ず労働基準監督署へ相談を」と案内するのは、このためなんですね。
3. 試験で狙われる「ひっかけ」徹底ガード
① 順序の入れ替え
○ 先に保険給付が行われた場合は、政府が求償を行う。
✕ 先に保険給付が行われた場合は、政府が控除を行う。
→控除は先に損害賠償があったときです。
② 期間の入れ替え
○ 求償による調整期間の上限は5年、控除による調整期間の上限は7年である。
✕ 求償は7年、控除は5年である。
→数字をそっくり入れ替えた定番の誤りです。
③ 調整の範囲
○ 調整は「同一の事由」について行われる。(治療費と療養給付、休業損害と休業給付など)
✕ 慰謝料も含めて、損害賠償の全体が調整の対象となる。
→慰謝料は保険給付と同一の事由ではありません
④ 代位取得の範囲
○ 政府が代位取得するのは、保険給付の価額の限度である。
✕ 政府は、損害賠償請求権の全額を代位取得できる。
→限度は「給付額」です。
4. 暗記を助ける整理と語呂合わせ
求償は「先に保険給付があった場合」で、政府が代位取得して加害者に請求する仕組みであり、調整期間の上限は5年です。控除は「先に損害賠償があった場合」で、政府がその額の限度で保険給付をしない仕組みであり、調整期間の上限は7年です。
語呂合わせは、「“きゅう”ふ先なら“きゅう”しょう」で順序を、「求めて“ご”(5)、控えて“なな”(7)」で期間を覚えてみてください。
第三者行為災害は、一度整理できればずっと得点源にできる論点です。今日の整理を、あと1点を守る武器にしていきましょう。応援しています!

