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社労士試験ポイント解説 労務管理一般常識

賃金の支払いの確保等に関する法律(賃金支払確保法)


(1)概要


この法律は、景気の変動、産業構造の変化等により企業経営が安定を欠くに至った場合及び労働者が退職する場合における賃金の支払等の適正化を図るため、貯蓄金の保全措置及び労働者に対する保護措置その他賃金の支払の確保に関する措置を講じ、もって労働者の生活の安定に資することを目的として昭和51年に制定されました。


(2)貯蓄金の保全措置


事業主は、労働者の預金の受け入れをするときは、毎年3月31日における受入預金額について、同日後1年間預貯金の保全措置を講じなければなりません。


(3)退職手当の保全措置


事業主は、労働者に退職手当を支払うことを明らかにしたときは、支払額について預貯金の保全措置に準ずる措置を講ずるよう努める必要があります。


(4)遅延利息


事業主は、退職した労働者に係る賃金を退職日又は支払期日までに支払わないときは、退職日又は支払期日の翌日から支払日までの日数に応じた遅延利息(年利率14.6%)を支払わなければなりません。


(5)未払賃金の立替事業


政府は、労災保険の適用事業所が破産手続開始の決定を受けた場合において、一定期間内に退職した労働者に対する賃金に未払があるときは、労働者の請求に基づき、事業主に替わって未払賃金を立て替え払いします。立て替え払いする額は未払賃金の80%です。ただし、年齢に応じて上限があります。


(本日のポイントまとめ)
・賃金支払確保法は①保全措置②遅延利息③立替払いの3本柱で構成
・保全措置の対象は「社内預金」と「退職金」
・遅延利息は退職日又は支払期日から支払日までの期間年利14.6%で計算
・立替払いの対象に在職中の労働者の賃金や退職者の退職金は含まれない


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