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社労士試験ポイント解説 健康保険法

療養の給付について


本日は健康保険法の給付の1つである療養の給付について解説します。


(1)療養の給付とは


健康保険の被保険者が、業務以外の事由により病気やけがをしたときは、健康保険で治療を受けることができます。これを療養の給付といいます。療養の給付は、公的医療保険における最も基本的な保険給付であり、保険者から発行された被保険者証を提出することで、被保険者は広く医療を受けることができ、国民皆保険の根幹をなす制度です。


(2)療養の給付の範囲


①医師などによる診察
②薬剤または治療材料の支給
③処置・手術その他の治療
④在宅で療養する上での管理、その療養のための世話、その他の看護
⑤病院・診療所への入院、その療養のための世話、その他の看護


(3)療養の給付の受け方


療養の給付を受ける際、健康保険の被保険者であることの確認を受ける必要があります。これを「資格確認」といいます。資格確認について、従来は医療機関の窓口等で健康保険者証を提示する方法が一般的でしたが、2021年10月からは被保険者証の代わりにマイナンバーカードを利用することができるようになりました。マイナンバーカードを利用することによる窓口事務負担の軽減や、待ち時間の減少など利便性の向上が期待されています。


(4)一部負担金


療養の給付を受ける際、被保険者は次の①〜④に定める一部負担金を医療機関等の窓口で支払わなければなりません。


①70歳未満の被保険者→医療費✕30%
②70歳以上の被保険者→医療費✕20%
③70歳以上で現役並みの所得※がある被保険者→医療費✕30%
④70歳以上75歳未満で昭和19年4月1日以前生まれの被保険者→医療費✕10%
※現役並み所得者とは標準報酬月額28万円以上の人(単身世帯で年収383万円、夫婦世帯で520万円未満である場合は除く)が該当します。


(本日のポイントまとめ)


・療養の給付とは病気やけがの際、通常より少ない負担で治療等が受けられる制度
・療養の給付を受けるには医療機関等の窓口で健康保険証による資格確認が必要
・2021年10月からマイナンバーカードを利用した資格確認が可能
・一部負担は医療費の10%〜30%で、被保険者の年齢や所得によって決められている


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