社労士試験ポイント解説 労働基準法
労働契約の基本ルールを押さえよう
社会保険労務士試験の労働基準法において、労働契約は重要な論点です。今回は、労働契約の締結に関する基本的な規定について、試験対策のポイントを整理していきます。
労働基準法第13条の意味
労働基準法第13条は、労働契約における最も基本的な原則を定めています。この条文の核心は、法律で定める基準に違反する労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とするという点です。この規定のポイントは以下の通りです。
無効となる範囲:労働基準法で定める基準に達しない労働条件の部分だけが無効となり、労働契約全体が無効になるわけではありません。有効な部分は引き続き効力を持ちます。
自動的な引き上げ効果:無効とされた部分については、法で定める基準が自動的に適用されます。つまり、労働基準法の最低基準によって自動的に引き上げられることになります。
労働組合法第16条との違い:過去問でよく問われるポイントとして、労働組合法第16条との違いがあります。労働組合法では「労働協約に定める基準に違反する労働契約」が対象となり、こちらも無効とする点は同じですが、適用される場面が異なります。
契約期間の上限規制
労働契約の期間については、労働基準法で明確な上限が設けられています。
原則的な上限:労働基準法では、労働者を拘束することを嫌います。そのため、労働契約の期間には原則として3年という上限が設けられています。
例外的に5年が認められるケース:ただし、以下の2つのパターンでは、例外的に5年を超える期間が認められています。
①高度の専門的知識等を有する労働者との契約
②満60歳以上の労働者との契約
有期労働契約の特則:本来、有期労働契約においては、やむを得ない事由がなければ契約期間の途中で契約を解除することはできません。しかし、労働者保護の観点から、契約がスタートしてから1年が経過した後であれば、労働者はいつでも退職することができるという特則があります。
労働条件の明示義務
使用者は労働者に対して、労働条件を明示しなければなりません。明示すべき労働条件には、絶対的明示事項と相対的明示事項の2種類があります。
絶対的明示事項:絶対的明示事項とは、必ず明示しなければならない労働条件のことです。定めがある場合はもちろん、必ず明示しなければならない労働条件も含まれます。
主な絶対的明示事項は次の通りです。
①労働契約の期間
②有期労働契約を更新する場合の基準(更新契約の期間には該当する場合のみ)
③就業の場所や従事すべき業務、就業の場所や従事すべき業務の変更の範囲
④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、労働者を2組以上に分けて就業させる場合の就業時転換に関する事項
⑤賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期、退職手当の決定、計算及び支払の方法等
⑥退職に関する事項(解雇を含む)
相対的明示事項:相対的明示事項とは、定めをする場合にのみ明示すればよい事項です。
主な相対的明示事項は次の通りです。
①昇給に関する事項
②退職手当
③臨時の賃金、最低賃金額
④安全衛生
⑤職業訓練
⑥災害補償及び業務外の傷病扶助
⑦表彰及び制裁
明示の方法:絶対的明示事項(昇給を除く)については、書面の交付による明示が必要です。労働者の希望があれば、電子メールやFAXも可能とされています。なお、昇給に関する事項や相対的明示事項については、口頭による明示も認められています。
労働条件が事実と異なる場合の対応
使用者は労働者に対して明示しなければならない労働条件を事実と異なるものとしてはなりませんが、もし異なる場合には、労働者は即時に契約を解除することができます。この場合、契約解除の効力は将来に向かってのみ生ずるとされています。
以上が労働契約の基本的な規定です。特に労働基準法第13条の効果、契約期間の上限、労働条件の明示義務については、頻出論点ですのでしっかりと理解しておきましょう。
以上が労働契約の基本的な規定です。特に労働基準法第13条の効果、契約期間の上限、労働条件の明示義務については、頻出論点ですのでしっかりと理解しておきましょう。
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