社労士試験ポイント解説 労働安全衛生法
危険物及び有害物に関する規制について
今回は危険物及び有害物に関する規制のうち、製造等禁止物質及び製造許可物質について解説します。
(1)製造等禁止物質とは
製造等禁止物質とは労働者に重度の健康障害を生ずる物質で、政令で定めるものをいいます。製造等禁止物質はその危険性から原則、「製造」「輸入」「譲渡」「提供」「使用」のすべてが禁止されています。主に以下のようなものがあります。(一部抜粋)
①黄りんマッチ‥強い毒性と発火性を持つ「黄燐」をマッチ軸として用いたもの
②ベンジジン及びその塩‥極めて発癌性の高い染料の原料
③石綿‥建築材料等で用いられてきた繊維状の天然鉱石で長期間大量に吸入すると、肺癌や中皮腫の原因となる
(2)製造等禁止の例外
製造等禁止物質は、次の要件を満たした場合、例外的に「製造」「輸入」「使用」が認められています。
①試験研究目的であること
②都道府県労働基準局長の許可を受けていること
③厚生労働大臣が定める基準に従って製造し又は使用すること
(3)製造許可物質とは
製造許可物質とは労働者に重度の健康障害を生ずるおそれのある物質で、政令で定めるものをいいます。製造しようとする者は、あらかじめ、厚生労働大臣の許可を受ける必要があります。主に以下のようなものがあります。(一部抜粋)
①ジクロルベンジジン及びその塩…発癌性が指摘されている染料の原料
②石綿分析用資料等…石綿の分析のための試料に用いる石綿等
(本日のポイントまとめ)
・製造等禁止物質には「黄りんマッチ」「ベンジジン」「石綿」などがあり、原則、使用等がすべて禁止
・製造等禁止物質は「試験研究目的」「都道府県労働局長」の許可等の要件を満たせば使用等の一部OK
・製造許可物質には「ジクロルベンジジン」「石綿分析用資料等」などがある
・製造許可物質は「厚生労働大臣」の許可等の要件を満たせば製造OK
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