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確定給付企業年金について


今回は確定給付企業年金法における確定給付企業年金について解説します。


(1)企業年金とは


企業年金とは、企業が従業員の退職後の生活を保障するために支給する私的年金を指します。公的年金とは異なり、企業年金は、企業が福利厚生の一環として設ける任意の年金制度ですので、退職金と同様にすべての企業に導入されているわけではありません。実質的には退職金の一部と考えられることが多いです。


(2)確定給付企業年金とは


企業と従業員との間で決めた規約等に基づき、給与水準や加入期間などをもとにあらかじめ決められた給付額について、退職後にその給付を受けるのが「確定給付企業年金」です。


(3)確定給付企業年金の種類


確定給付企業年金には以下の2つの種類があります。


①規約型企業年金
企業が生命保険会社や信託銀行などの受託機関と契約を結び、掛け金の管理・運用を受託機関が行なうのが規約型企業年金です。企業の経営状況によって退職金及び年金の支給額の変動を防ぐことができます。支給を行う際は、退職後の従業員が企業に支払を請求し、これを受けた企業から受託機関に指示がされて、受託機関から従業員に支払が行われるという仕組みになっています。


②基金型企業年金
企業が企業年金基金と呼ばれる特別法人を設立し、この法人において掛け金の管理・運用・給付までを行うのが基金型企業年金です。基金は企業とは独立した法人となるため、中立的な制度運営をすることができます。支給を行う際は、退職後の従業員が基金に支払いを請求し、基金から従業員へ支払いが行われます。導入のための要件が厳しいため運用している企業は大企業が多くなっています。


(4)確定給付企業年金の掛金


事業主は規約で定めるところにより、年に1回以上、定期的に掛け金を拠出しないといけません。また、従業員は規約で定めるところにより掛け金の一部を負担することができます。事業主等は、少なくても5年ごとに掛け金の額を再計算しなければなりません。


(5)確定給付企業年金の給付


確定給付企業年金の給付は、以下の法定給付(必ず行うもの)と任意給付(任意で行うことができるもの)に分けられます。


①法定給付‥老齢給付金、脱退一時金
②任意給付‥障害給付金、遺族給付金


(本日のポイントまとめ)


・企業年金は、企業が福利厚生の一環として設けている任意の年金制度
・確定給付企業年金の給付額は、給与水準や加入期間に応じて、あらかじめ決められている
・確定給付企業年金には、「規約型」と「基金型」の2種類がある
・確定給付企業年金の掛金は、事業主が年に1回以上拠出しなければならない
・確定給付企業年金の給付には、法定給付(老齢給付金・脱退一時金)と任意給付(障害給付金・遺族給付金)がある


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